オンプレ至上主義だった自分が、AWSを触ることになった話(+具体例つき考察)
これまでの自分は、いわゆる「オンプレ最高派」だった。
サーバーは自分で用意して、必要ならDockerで環境を切る。それで十分、むしろそれが一番安心――そんな感覚でやってきた。
ところがある日、状況が変わる。
「チャットシステムにBOT機能追加していいよ。AWSで動くから、AWSで動くように作ってね」
……急にきたな、AWS。
しかも渡されたのはNode.jsのサンプルコード。
いやいや、こっちはNode.jsをインストールできないPCなんですが。
とはいえ、JavaScriptは多少わかる。
「読めるなら、書き換えればいいか」ということで、サンプルをベースにPythonへ移植。
リスペクトしつつ、いい感じに“インスパイア”して仕上げてみた。
そのままマージリクエストを投げる。
——が、1日経っても反応なし。
「これは…ダメ出しに困ってるパターンか?」
微妙な空気を感じつつ、その日はAWSのオンラインセミナーへ。
AWSセミナーで得た“とりあえず会話できる知識”
正直なところ、AWSはほぼ未経験。
ただ、セミナーに出てみて「これだけ知ってれば会話に入れるな」という最低限の理解は得られた。
よく出てくるやつはこのあたり:
- IAM(アイアム)
- API Gateway(エーピーアイ・ゲートウェイ)
- Lambda(ラムダ)
- S3(エススリー)
- DynamoDB(ダイナモ)
- EC2(イーシーツー)
それぞれのイメージはこんな感じ。
- IAM:権限管理。ミスると普通に事故るやつ
- API Gateway:リクエストを受けて裏の処理に流す受付係
- Lambda:必要なときだけ動く処理本体(動いた分だけ課金)
- S3:安くて無限に置けそうなストレージ
- DynamoDB:RDBじゃないけど爆速なデータベース
- EC2:仮想サーバー(ただし“昔ながら枠”っぽい扱い)
ここで気づいたのがひとつ。
「AWS=仮想サーバー」じゃなかった。
AWSの正体は「サービスの組み合わせ」
AWSの感覚は、むしろ日常で使っている仕組みに近い。
例えば、IFTTTで
「体重計 → アプリ → LINE通知」みたいに連携させるあの感じ。
AWSも同じで、
- API Gatewayで受けて
- Lambdaで処理して
- 必要ならDynamoDBに保存して
- S3にファイルを置く
みたいに、部品をつないでシステムを作る世界だった。
【考察①】オンプレとAWSの“発想の違い”
オンプレの発想はこう。
- サーバーを用意する
- OSを入れる
- ミドルウェアを入れる
- アプリを動かす
つまり「箱を用意してから中身を作る」。
一方AWSはこう。
- 必要な機能を選ぶ
- つなぐ
- すぐ動く
つまり「機能を組み合わせる」。
具体例:チャットBOTを作る場合
オンプレの場合
- サーバー用意
- Node.js or Python環境構築
- Webサーバー(nginxなど)設定
- API受け口作成
- 常時起動&監視
→ 小さな機能でも“準備コストが重い”
AWSの場合
- API Gatewayで受ける
- Lambdaで処理を書く
- 必要ならDynamoDBに保存
→ “BOTのロジックだけ”に集中できる
この差はかなり大きい。
【考察②】「使わない時間=コスト0」というインパクト
Lambdaの特徴は「動いたときだけ課金」。
これ、実はかなり強い。
具体例:社内ツール
例えば、1日10回しか使われない社内BOT。
オンプレ or EC2
- 24時間サーバー起動 → 常に課金 or 電気代発生
Lambda
- 呼ばれたときだけ動く → ほぼ無料レベル
→ 「使うか分からない機能」でも気軽に作れる
これは心理的にも大きくて、
“とりあえず作ってみる”ハードルが一気に下がる。
【考察③】インフラエンジニアの仕事が変わる感覚
オンプレだと、
- サーバー構築
- ネットワーク設計
- 障害対応
がメインだった。
でもAWSだと、
- サービス選定
- 権限設計(IAM)
- サービス間連携
になる。
具体例:ミスの種類が変わる
- オンプレ:ディスク足りない、ポート開いてない
- AWS:IAMミスってアクセスできない
特にIAMは「動く・動かない」が一瞬で決まるので怖い。
【考察④】“小さく作る文化”との相性がいい
AWSは、機能を細かく分ける前提。
これが何に効くかというと、
「小さく試す」文化と相性がいい。
具体例:機能追加
今回のBOT機能もそうだけど、
- まずLambda1個で試す
- 動いたらAPI Gatewayとつなぐ
- 必要ならDB追加
→ 段階的に育てられる
オンプレだと、最初に“全部設計”しがちだけど、
AWSだと“後から足す”前提で動ける。
そして、まさかの展開
セミナーが終わり、なんとなくAWSの世界観を理解してワクワクしていたそのとき。
マージリクエストが——承認されていた。
あっさり通った。
ただし、ここで新たな壁。
「エンドポイントどこ?」
ドキュメント(という名の“ブログと取説の中間みたいな何か”)を読み漁り、ようやくURLを特定。
「これで動くはず」
そんな確信とともに、週末へ突入。
まとめ:AWSは“インフラ”ではなく“選択肢”
今回の一件で感じたのは、
AWSは「インフラ」じゃなくて、
**“やりたいことを実現するための選択肢の集合”**ということ。
- サーバーを立てる → EC2
- 処理だけ動かす → Lambda
- データ置く → S3 / DynamoDB
必要なものだけ選べばいい。
オンプレ最高派だった自分にとっては、
正直ちょっと悔しいけど、
「これは確かに便利だわ」
と思ってしまった。
そして何より、
「作れるかどうか」ではなく
「どう組み合わせるか」
を考える世界に入った感覚がある。
AWSという新しい“魔法”を覚えた。
フリーダム
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