吉澤準特著『マンガでやさしくわかる資料作成の基本』を読んで、資料作成は「きれいに作る作業」ではなく、「相手に意思決定してもらうための設計」だと実感した。
これまで学んだポイントに加えて、実務でどう活きるのかを具体例とともに整理してみる。
要件定義をしないと“ズレた資料”になる
「読者・目的・合理性」を決める重要性は理解していたつもりだったが、実際の業務に当てはめるとその差は大きい。
具体例
例えば「新しいツール導入の提案資料」を作るケース。
要件定義なしの場合
- 機能一覧を丁寧に説明
- 画面キャプチャを大量に掲載
- 結論がぼやける
→ 上司の反応:「で、導入すべきなの?」
要件定義ありの場合
- 読者:決裁権を持つ上司
- 目的:導入の承認を得る
- 合理性:業務時間を月20時間削減できる
→ 資料構成:
- 結論:このツールを導入すべき
- 理由:時間削減+コスト回収3ヶ月
- 事例:他部署での成功例
→ 上司の反応:「OK、進めて」
👉 考察
情報量はむしろ減っているのに、意思決定は速くなる。
資料の価値は「情報の多さ」ではなく「判断しやすさ」だとわかる。
スケルトン確認をサボると“手戻り地獄”になる
3段階(スケルトン→ドラフト→フィックス)の重要性は、経験がある人ほど刺さるポイント。
具体例
スケルトンなしで作成した場合
- 3時間かけて資料作成
- 上司:「方向性違うから作り直して」
→ 合計6時間以上ロス
スケルトンありの場合
- 10分で構成だけ作る
- 上司:「OK、この方向で」
→ そのままドラフト作成(無駄なし)
👉 考察
「急がば回れ」がそのまま当てはまる。
最初の10分をケチると、後で数時間失う。
これは資料作成に限らず、プログラミングや設計にも共通する考え方だと感じた。
「主張→理由→事例→まとめ」で説得力が変わる
構造の型はシンプルだが、実務で意識している人は意外と少ない。
具体例(悪い例)
- 売上が落ちているグラフ
- 市場の説明
- 競合の話
→ 結論が最後までわからない
良い例
- 主張:広告費を増やすべき
- 理由:流入数が減少しているため
- 事例:広告強化で回復した過去事例
- まとめ:今投資すれば回復可能
👉 考察
人は「結論が見えない状態」にストレスを感じる。
最初に主張を出すだけで、読み手の理解コストが大きく下がる。
「引き算」ができるかどうかがプロと素人の差
情報を削ることに抵抗があるが、ここが一番重要。
具体例
NGスライド
- 文章びっしり
- グラフ+説明+補足+注意書き
→ 何が重要かわからない
改善後
- メッセージ:「売上減少の原因は新規顧客の減少」
- グラフは1つだけ
- 補足は口頭説明
👉 考察
資料は「読むもの」ではなく「理解させるもの」。
削ることで、逆に伝わる情報量は増える。
これはブログやプレゼン、日常会話にも応用できる。
エグゼクティブサマリーがあるかで“読まれるか”が決まる
忙しい人ほど、最初しか見ないという前提で設計する必要がある。
具体例
サマリーなし
- 10ページの資料
- 上司:「あとで読む」
→ 読まれない
サマリーあり
- 1ページ目に結論+理由
- 上司:「なるほど、OK」
👉 考察
極端に言えば、「1枚目だけで完結する資料」が理想。
残りのページは“裏付け”に過ぎない。
全体を通しての気づき
この本の内容を実務に当てはめてみると、資料作成は以下のように変わる。
- 作業 → 設計へ
- 説明 → 意思決定支援へ
- 足し算 → 引き算へ
そして一番大きい変化は、「相手の時間を意識するようになったこと」。
👉 最終的な考察
良い資料とは、「相手の思考時間を短縮するツール」だと感じた。
そのために、
- 迷わせない構成
- 余計な情報を削る判断
- 最短で結論にたどり着ける設計
これらを意識するだけで、資料の質は大きく変わる。
まとめ
『マンガでやさしくわかる資料作成の基本』は、資料作成の「型」と「考え方」をセットで学べる実践的な一冊だった。
特に、
- 要件定義
- 段階的な進め方
- 構造化
- 引き算
この4つを意識するだけで、「伝わらない資料」から「動かせる資料」へ変わると実感した。
フリーダム
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