梶本修身著「すべての疲労は脳が原因」を読んで以下のことを学んだ
・運動により疲労が実際に生じるのは筋肉などでなく、「自律神経の中枢」で呼吸・心拍を適切なものに調整し続けるのに大きな負荷がかかるため。※視床下部や前帯状回
・「疲労感」は疲労とは別で、眼窩前頭野で感じる。
・人間は「意欲や達成感の中枢」前頭葉が大きく、眼窩前頭野で発した疲労感というアラートを意欲や達成感で簡単に隠してしまう。そのため、やりがいや達成感がある、あるいは上司や同僚からの賞賛、昇進といったあ報酬が期待できて、楽しく仕事をしているときほど過労死のリスクが高い「疲労感なき疲労」が蓄積されやすく、休まずに仕事を続けることで疲労は脳と体を確実に蝕み、果ては過労死にいたらしめる。
・「飽きた」という感覚は、脳そのものが疲弊してきているという警告として注目する必要がある。
脳はニューロンの塊。パソコンを使い続けるなどの作業を長時間行っていると、脳のある特定の神経回路に負荷が集中することになり、脳の一つの神経回路を使っているとその部分の神経細胞が「酸化ストレス」により疲弊する。それが「飽きる」という感情になって表れる。
・同じ作業の繰り返しは脳の作業効率化を低下させる。
神経細胞と神経細胞の神経伝達物質の受け渡しにより、電気信号が発生する。
神経細胞がオフからオンになるためには、一定の「閾値」を超えることが条件になる。
閾値は同じ神経細胞ばかり使って疲れが溜まってくると上昇するという特性がある。
神経細胞が疲弊して刺激に鈍感な状態になると素早い興奮の伝達、つまり情報処理が行えなくなるため、脳全体の作業効率が低下する。
・脳疲労を起こしやすいのは大脳ではなく、「視床下部」と「前帯状回」という自律神経の中枢。
疲れがたまると、頭痛、めまい、音や声が遠くに感じる、耳鳴りがする、体温調整が上手くいかなくなって火照る、バランス感覚を失ってふらつく、血圧の変動がするなどが自律神経失調症の症状。
・「集中する」という行為は、同じ神経回路ばかり使うことを意味するから、むしろ疲労を蓄積させる。
・就業後のスポーツクラブ、土日の早朝ゴルフは「隠れ疲労」を蓄積するだけ
・テニスのサーブ、自転車の乗り方、パソコンのタッチタイピング、楽器の演奏など同じことを反復してマスタする「手続き記憶」は疲れにくい、小脳を使うので脳疲労につながらない
・疲労がたまると、まず自律神経が素早く反応するが、何日も続けることができないため、内分泌系が対応する。
ステロイドホルモンが分泌されエネルギー節約をするがステロイドホルモンは血管を老化させる。またインスリンの効き目を悪くするので、高血糖や肥満になる。また免疫も下がる。
それが続くと免疫系が疲弊してがんに対する防御力がダウンする。
・疲れの原因は脳内で神経細胞を攻撃している「活性酸素」で、乳酸は全く関係ない。
・良質な睡眠が取れれば、疲労回復因子FRが分泌されるため脳の疲労は回復する。(疲労とリカバーのバランスが逆転する)
・イミダゾールジペプチド(イミダペプチド)が鳥の胸肉にあって抗疲労成分がある。
・クエン酸も回復効果があるが、ミトコンドリアのクエン酸回路をサポートしているだけ
フリーダム
最新記事 by フリーダム (全て見る)
- 藤元健太郎著『ニューノーマル時代のビジネス革命』を読んだ。読み辛いが、網羅的に新しいサービスが書かれていた。 - 2020-12-21
- ケリー・マクゴニガル著『スタンフォード式人生を変える運動の科学』 - 2020-12-21
- やまぐちせいこ著『シンプル思考ですっきり身軽に暮らす』に夫婦の会話のコツを学んだ - 2020-12-17